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2014.10.04

確かに、にはたづんだ

にはたづみ
[名]雨が降って、地上にたまり流れる水

最後まで、ちゃんと把握しきれないまま、終わった。


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きれいな言葉だな、なんなんだろう?それが始まりだった。

銀座の一等地にある清潔感のある室内。
ただものじゃない木目調のピアノ。
踊るような、水を弾くような、にはたづみの文字。

そこにいくと、そわそわとしてしまう。
どう振る舞っていいのかわからない。
でも気になる。

スペースにはたづみ

とは、芸術家のための芸術家が運営するギャラリーだ。
通常、音楽家がライブ会場でライブをする場合にはチャージ金額の半分はお店に収める。
しかしその場所は少額の使用料を収めるだけでライブや展示、パフォーマンスを行うことが出来た。

あら便利、都合が良い

そのもっと奥の奥に、この先の時代に灯されることになるであろう哲学がある。

演奏家は食べていくために演奏し、人気を得るために客に媚びた演奏をし、お店は客が呼べる演奏家を獲得し、お金をめぐらせていく

その真逆の場所といえばいいのか。

真摯な芸術家を養うパトロンがいて、そこでは真に湧き出る表現のみがもとめられ、それがわかる聴衆がつどい、芸術家があつまり、広がっていく


そんな場所といえばいいのか。


其の場所にいくとそわそわしてしまう理由

今になって思えば、そこはいわゆる「よくあるライブハウスでの一連のながれ」がないからだと思う。
どうふるまって、何をだれと話すか、すべて自由で、自分に問うからじゃないかと思う。


その場所が、この間の月曜日にクローズとなった。

私は日曜日に、その場所の牽引者、中村さんのピアノを聴きに行った。

いつもと同じ、晴れやかなような、でもどこかぴーーーーんと張った神経があるような中村さんだった。

多くのミュージシャンが訪れて、セッションが始まった。

ギタリストがコールした曲が、あいにくベーシストには分からなかった。

弾けないでいるベーシスト。

展開してゆく曲

だれかが、その曲の楽譜を譜面台に置いてくれた。

でも彼は弾かなかった。

その弾かない音を、うつむいて聴いた。

冒頭、中盤ベース音なしで作られたその演奏に今、譜面が与えられたからといって入ることが音楽として良くなるか、意味があるか、判断した結果、彼は弾かなかった。


一時が万事


細木数子さんといううらないの人から学んだことばである。
彼女は電車で化粧をする女性に対し、ろくでもないことだ、と苦言を呈するさいに使った。

一時が万事

にはたづみは万事、音楽を高めること、共演者の音に対するケア、万事、それに重きをおいた場所だった。

最後まで。

その日はその場所の牽引者中村さんとパトロンの高松さんを囲んで思い出話、今後の展望について話し合った。

あのふたりの尊重しあい、無遠慮な点、根拠のある信頼関係をみると、幸せな気分になれる。

あまだまりのみずは消して消滅することはない。

またたまり、あたらしい物を映すだろうと思う。



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